12km刺繍した日本に1着しかないコート【3Dプリンター使用】

今回は3Dプリンターと洋裁を組み合わせ作りました。普段は布だけを使って服を作りますが、表現としてはマンネリ。 「もっと表現の幅を広げたい」 「もっと変なのが作りたい」

そこで思ったのが「3Dプリンターを使ってみよう。」ということです。

目次

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テーマ

「鼻水」がテーマ

僕が花粉症で鼻炎持ちなので鼻水とは長い付き合いになります。今回のテーマは「鼻水」です。テーマ構成手順は以下のようになります。

キーワード構成手順

キーワードは

鼻= 鼻水。 鼻炎。 花粉症。 鼻をかむ。 ティッシュ。

鼻関連からキーワードを考えました。中心キーワードは「鼻水」が面白そうなので鼻水に決定。次にキーワードをさらに広げていきます。

鼻水= 流れる、垂れる。 鼻をかみすぎると血が出る。

最終的に使うキーワードは「鼻、鼻水、ティッシュ、流れる、血が出る」で決定。

キーワードの分配

先をと見つけたキーワードをどこに配置するかを決めます。この時キーワードをそのまま使うのではなく少し付け足して考えるとスムーズにいきます。

配置する場所は主に「服」「3Dプリンター」の2か所です。キーワードの分配は以下になります。

服= 「鼻水」の「流れる」ようす。
3Dプリンター= 「鼻」の形をしたポケット。水色と赤色の2種類の「ティッシュ」を用意し鼻の穴から取り出せる。最初水色で「鼻水」をイメージ。最後の1枚は鼻のかみすぎで赤色「鼻血」が出るイメージ。
キーワードを分けることができました。次は制作に入ります。
 

3Dプリンターで制作したもの

3Dプリンターで作成した鼻ポケット

制作したもの

3Dプリンターで作ったものは「ポケットティッシュ専用のポケット」です。鼻の穴も両方ともしっかり開いているのでティッシュが取り出せるようになっています。なかなかいい感じ。試行錯誤し4回目くらいチャレンジした結果できあがりました。

鼻水と鼻血もしっかり表現できています。実用性もあるところが良いところ。もちろん取り出せば次のティッシュがでてきます。

 

素材感

プラスチックのような質感になっています。扱いが雑だと請われるかもしれませんね。試行錯誤の中で2mmが適切な厚みだということもわかりました。2mmって実物見るとわかると思いますが、結構分厚いです。その異物感がまたいいんですけどね。

 

3Dプリンターの魅力はこちらの記事でも書いてあります。

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服で作成したもの

12km刺繍したコート
水が流れる様子を表現。

制作したもの

印象の大きいモノがいいのでコートを作成しました。コートやワンピースのように 表現できる面が広いとインパクトある作品ができます。

コートの場合ラペル(えり部分)を大きくしました。大きくすることで遠くから見たときのインパクトがでます。遠くからでも存在感あることでしょう。

素材感

綿の生地を使用しています。重さ、刺繍しやすさを考えて選びました。前面刺繍をするので確実に重くなります。また薄すぎて縫いずらいのも効率とやる気を落とすので避けるべきポイント。

前面に刺繍をしたので、ものすごい量の糸を使いました。 その量12km。1つの服に12kmも刺繍すると肩が凝るくらい重たく柔道着みたいな質感です。着心地は決してよくありませんが、かっちりとしていて不思議な安心感があります。なんか包み込まれながら守られているような感じ。 これは体験していただきたい。

3Dプリンター × 洋裁

刺繍コートと鼻ポケットを掛け合わせた様子
かっちりとおふざけ間の融合。

2つを掛け合わせできたコートはずっしり重たく、かっちりとした着心地。反対に3Dプリンター部分はふざけたような様子。この硬い印象とふざけた柔らかい印象の組み合わせが何と言えない可笑しさを表現しています。今回はポケットに3Dプリンターを使いましたが布に立体的な模様を付け足したり、特殊なボタンを作ることも可能です。3Dプリンターを使うことで表現の幅はもっと広げることができますね。大手企業が3Dプリンターを使って服作りをしていくと思います。その方が人件費も安いから。でも僕みたいにふざけた表現をする人は少ないと思うので今後もやっていこうと思います。

まとめ

12kmコートの背面

洋裁という1つの表現方法だとマンネリを感じはじめたので今回は3Dプリンターと掛け合わせてみました。魅力的な点は以下になります。

メリット


・立体的表現が布で作るより簡単である。

・プリント中は別の作業ができる。

・3Dデータを作成できるPCがあればどこでも作業が可能。

立体的な表現が布より簡単にできるので助かります。もし布となじませたいのであれば、プリントしたものに布を接着すれば表現可能。表現の幅が広がるのでありがたい技術です。

その反面困る点もあります。

デメリット


・3Dデータを作るのになれないと時間がかかる。

・プリンター本体が高額。

・プリンター出力時間が長い。

・プリント代行に頼むとお金と時間がかかる。

いくつかありますが、3Dデータ作るのになれてしまえば値段以外はそこまで問題ではないように感じます。先にデータ作ってほかの作業していればいいわけなので。個人的には値段以外満足しています。技術がもっと進歩して使いやすくなると思うとワクワクしかしないです。楽しみだ。

おまけ  初めての3Dプリンター

今回3Dプリンターを使うためにわざわざ最初から勉強しました。初めての3Dプリンターで何もわからないところから始めたのですが意外と学べるものです。技術書がびっくりするくらい丁寧に書いてあるので文字が読めればできますよ。たまに勘違いでつまずきますが、わりとすぐに解決できます。

おすすめ書籍も下の記事で紹介していますので見てください。

また、プリント中は別の作業ができるので効率よく作業ができます。苦手なところは3Dプリンターに力を借りて作業すれば効率的です。1人でいろいろできる時代なんだとしみじみ感じました。

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この記事を書いた人

表現家 ヒキノユウタ

洋裁、3D プリンターなど、ものづくりを通して表現活動。ありそうで無いものやふざけた表現を得意としている。
海外のファッションコンテストでファイナリストに選ばれた経験あり。

長く使えるもの、独特な「何かおかしい」に焦点をあてた作品制作をしている。

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